過去、今、未来、100年前の西洋アンティークでつなぎます。
by croa-antique <実店舗>
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レースのお話
今まで知らなかったことを少しずつ知っていくのは楽しいことです。
で、今はレースにすっかりはまっています。 知れば知るほど歴史も制作も奥が深いです。 ドールの洋服の裾飾りにも・・ このブルーの絹のスカートに縫いつけられたベージュのレースは、その希少性から「幻のレース」「レースの女王」と呼ばれるメヘレン(メクリン、マリーン)レースではないかと思うのですが、初心者ゆえ確信が持てません。 詳しい方のご教授を仰ぎたいところです。 アランソンやポワンドガーズを模して作られたと言われる極細の麻糸によるボビンレース。 チュールに見える網も全部手で編んでいます。 拡大しますと・・ ピンボケになってしまいましたが、花模様の真ん中の穴にめぐらせた6角形の網の一辺の長さが1ミリです。 この1ミリの長さの糸に別の糸が5回、くるくると巻きつけられています。 さらに拡大・・ 肉眼で見ると1本の糸にしか見えませんが、5ミリの長さの横糸2本に25回別の糸が巻かれています。 でも、今日の主役はドレスではなく、その下の下着に使われている白いレースです。 ぼんやり見ている時はその凄さに気付きませんでした。 目打ちで布に穴を開けて周りをかがるアイレットと布を切り取って周りをかがるカットワークそして白い布に白い糸で刺繍するホワイトワークの3種類の技法で作られています。 ホワイトワークによる水玉模様の直径は1ミリで、やはりそれを5目で仕上げています。 余談ですが、最高級の物は1ミリ10目で仕上げられていると聞きます。 来る日も来る日もひたすらかがって 穴の大きさは一番小さいものは直径1ミリありません。そんな穴が小さなドール用の下着に全部で何個開けられているのか、1万個は軽く超えています。 この技法は本当に単純で、特殊な技術や熟練は何も要りません。 いるのはただただ根気だけ。 だからレース職人の中でもまだまだ未熟なほんの子供のような少女が作ったのかもしれません。 昔のレース職人は若くして目を傷めたり、根気のいる作業に神経を病んだり早死にすることも多かったということです。 このレースを作った人はどんな人生を歩んだのでしょうか。 レースには1か所の失敗も、糸の端が醜く見えているところもどこもなく、完璧な美しい仕上がりです。 1ミリ5目というのを律義に律義に守って、たまには手を抜いて3回とか4回で仕上げちゃえとか、そんなこと頭にも浮かばない人だったんだろうな。 130年以上たっていますがとても丈夫でこれから何百年も何千年もびくともしないように見えます。 一般に布製品はとても傷みやすいです。 この人形の衣装も色はあせ続け、布は風化して破れていつか粉々になってしまいそうです。 でも、レースは全く傷んでいません。 人間の手が時間をかけて作ったものだからなのか、レースというのはなんだか弱く繊細なイメージで、実際に繊細な物ですが、反面ものすごく強い物です。 普段はドレスの下に隠れて全く見えない、この仕事をぜひたくさんの人に見てもらいたいと思って今日これを書きました。
by croa-antique
| 2012-06-24 18:57
| 布製品
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