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過去、今、未来、100年前の西洋アンティークでつなぎます。
by croa-antique
<実店舗> 
東京都中央区銀座5-1 
銀座ファイブ2F
クロア
tel : 03-5568-0023
メールでのお問い合わせはネットショップの「お問い合わせ」よりどうぞお願いいたします。

定休日: 年数回を除いて基本的に無休ですが不定休を取らせていただくことがありますのでご遠方からお越しの際は事前にご連絡をくださいませ。
営業時間: 12時から18時半までの間は通常開いております。
ネットショップはこちらからどうぞご来店くださいませ。

http://croa.ocnk.net/


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職人の誇り

19世紀のイギリスは様々な手法のアクセサリーがたくさん作られました。
アンティークの中でもひときわ華やかで魅力的な分野です。

当時、いろいろなアクセサリーの中で人気ナンバーワンだったのはカメオです。

カメオというのは「浮き彫り」という意味です。
素材は、メノウやアメジスト、火山岩、象牙やサンゴなどもありますが、一番たくさん使われたのは貝です。
貝殻の茶色と白の二層になっている部分を上手に利用してデザインされました。

デザインのテーマになったのは主にギリシア神話の神様たちの姿です。



職人の誇り_d0253172_043516.jpg

この二つのカメオのブローチはどちらもバッカンディアという女の神様の姿を彫ったものです。
ワインの神様であるバッカスの取り巻きの女神さまなので、髪には葡萄を飾っています。

同じバッカンディアを扱っていながら、この二つは全く雰囲気が異なっています。


職人の誇り_d0253172_0462555.jpg

こちらは、地に白い部分を使った大変珍しいものです。
彫った職人さんが一番こだわったのはおそらく葡萄の葉っぱなのではないでしょうか。
貝の茶色のグラディエーションを見事に生かしてリアルに表現しています。
また、ちょうど貝の色が白から茶色に変わるところを生かして表現した頬の赤みはお見事!です。

職人の誇り_d0253172_049984.jpg

こちらは地が茶色のオーソドックスなタイプ。貝の透明な美しい白い部分を生かして、女神様の肌のなめらかさを表現しています。写真には上手く写らなかったのですが、髪の毛の一筋一筋、肩に背負ったライオンの毛皮の一本一本の毛の表現なども見事です。

今では海が汚れてしまったために、このような美しい透明感のある白い貝は育たなくなってしまったそうです。
貝の美しい白は、海が美しかった頃の証明でもあるのです。


これらを彫った職人さんたちは画家や彫刻家と違って、自分の作品にサインをいれていません。だから何と言う名前の人が作ったのかは全くわかりません。
でも、彫った人が作品に込めた情熱、技術、誇り、そして彫っている時の喜びなどはしっかりと伝わってきます。

アンティークの物がアンティークとして長い時間を経て残り、魅力も衰えるどころか、ますます増していくのも、作った名もない職人さんたちの、作品に込めた愛情と熱意、そして卓越した技術があればこそと思います。

# by croa-antique | 2011-09-03 01:07 | ヴィクトリアン

虫づくし

季節が秋めいてきました。
西洋にも、古くから昆虫や植物文様はたくさんありますが、わりと博物学的な捉え方のものが多く、野の草花や昆虫に、そこはかとないはかなさや無常感を感じるというのは日本独特の感覚かもしれません。
虫づくし_d0253172_23283611.jpg
日本製、革に型押しの名刺入れ1900年頃


























虫づくし_d0253172_23305610.jpg
日本製、銀に七宝のシガレットケース1900年頃






















たくさんの虫の姿がデザインされていますが、これらの虫の姿の中に西洋の人々の中でも感覚の鋭い人たちは直感的に日本人の無常観を感じとったようです。

1900年から1910年にかけてアール・ヌーボーと言われる独特のデザインが流行しましたが、虫や植物の文様に日本の影響が見られます。

虫づくし_d0253172_23383148.jpg

べっ甲やホーン(角)でできたアクセサリー

虫づくし_d0253172_23393067.jpg

日本でも特に人気のあるガラス作家ドームによる花器
蜘蛛の巣が貼っているのが見えます。

アール・ヌーボーの作品は日本でも大変人気がありますが、その中に日本の精神が息づいているせいかもしれません。

# by croa-antique | 2011-08-26 23:45 | 動物文様

ジャポニズム

長い間、ヨーロッパにとって多くの謎に包まれていた日本の文化が初めて正式に紹介されたのは1867年のパリ万博でのことでした。

薩摩焼、九谷焼などの陶器類、七宝、漆器、鎧かぶとや刀剣などの金工類、などなどの緻密な細工と独特のデザインはヨーロッパの人々を驚かせ、多くの影響を与えました。

一番わかりやすい影響は、日本の物をそのまんま真似して作った物の数々です。

いくつかご紹介します。

ジャポニズム_d0253172_1138481.jpg

一つは日本の製品、もう一つはヨーロッパで作られたものです。どちらかお分かりでしょうか。

左が日本製、べっ甲に象嵌した煙草ケースです。
右はヨーロッパ製、銀に七宝(エナメル)を施した女性のバニティーケース(化粧道具入れ)です。
時代は1920年頃、アールデコの時代です。


お次は・・・

ジャポニズム_d0253172_1142574.jpg



左は日本製、薩摩焼で作られたブレスレット。
右はヨーロッパ製、銀にエナメルのスプーン。

最後はこちら、スプーン対決。
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これは難しいですね。

上が日本製で銀に七宝。
下はイギリス製です。
有名な銀製品メーカーのサムソンモーダンという会社が作ってリバティ百貨店で売られたものです。
1897年のホールマークがついています。

日本製もヨーロッパ製もどちらの製品も、ヨーロッパと日本の文化がまじり合って、とても面白い雰囲気を醸し出しています。

# by croa-antique | 2011-08-18 11:50 | 民族文化

ボンゾ

BONZO

インパクトのある名前の犬のキャラクターです。
1920年代から1930年代にかけて、イギリスで一世を風靡しました。

お酒も煙草も女性も大好き。釣りをやったり車を運転したり、テニスにゴルフに水泳にと大忙しなボンゾ。

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イギリス紳士が心の中でやりたいと思っていることを全部やってくれるボンゾは、大人にも大流行し、いろいろな物が作られました。

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香水、ボディパウダーのパフ、ブリッジの点数をつけるノート。
アールデコの時代の大人文化の中にボンゾが浸透しているのがよくわかる品々です。

作者はGeorge E. Studdy ジョージ・スタディというイギリス人です。
イギリスの男性らしく、犬が大好きだったスタディの、犬に対するまなざしはとても優しいです。

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ところでボンゾの犬種って何なんだろう?
鼻ぺチャで丸顔なところはパグやフレンチブルドッグを思わせますが、ちょっと違う。

きっとボンゾは誰でもない、この世に一匹しかいないボンゾ君なんでしょうね。

# by croa-antique | 2011-08-12 14:11 | キャラクターもの

ルイス・ウェイン

ねこが擬人化されて描かれているカード類や絵本が好きでたくさん集めましたが、その中でも独特の大きな三角形の目をしたネコの絵があります。

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先生が居眠りしている間にやりたい放題の悪がきネコたち。



サインを見ると Louis Wain とあります。

イギリスの発音では「ルイ・ウェイン」なのですが、ネットで「ルイ・ウェイン」と検索すると「ルイス・ウェインですか?」 、と大きなお世話 ご丁寧に修正されてしまうので、タイトルにはルイス・ウェイン、と記しました。(でも、実際はルイ・ウェイン)

1890年代から1910年代にかけてイギリスで大変人気がありましたが、1920年くらいから精神を病んでしまいました。晩年に描かれた絵は、病気になってしまった彼が見ていた世界がそのまま表現されているようで、見ていてつらくなります。

でも、全盛期の猫たちはとても生き生きとしています。
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最新流行のファッションに身を包んだ女性たち。
右下のネコさんたちは何を真剣に作っているのかな。

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エンボス加工された立派な絵本の表紙。
子だくさんのネコの母さん、お引っ越し中。

今でもルイ・ウェインの物はイギリスでとても人気が高くてお値段も高いです。
ポストカード1枚に10000円の値段がついていることもあり、ポストカード専門のお店では店頭には出してなくて、「ルイ・ウェインのカードはありますか?」と聞いたら、やっと奥から持ってきてくれるような感じです。

ルイ・ウェインは家系的に精神に異常をきたす遺伝子があったようで、自分もいつかおかしくなってしまうのではないかという恐怖が常にあったのではないかと思います。
大きく見開いたネコの目に、何かそういうものを感じてしまいます。

その危うい感じがルイ・ウェインの人気の秘密なのかもしれません。

# by croa-antique | 2011-08-10 15:59 | 紙もの