過去、今、未来、100年前の西洋アンティークでつなぎます。
by croa-antique
<実店舗> 
東京都中央区銀座5-1 
銀座ファイブ2F
クロア
tel : 03-5568-0023
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定休日: 年数回を除いて基本的に無休ですが不定休を取らせていただくことがありますのでご遠方からお越しの際は事前にご連絡をくださいませ。
営業時間: 12時から18時半までの間は通常開いております。
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ちょっとズル?

ダンヒル並木といえば、知る人ぞ知る存在といった感じでしょうか。
1920年代~30年代にかけて今のパイロット万年筆の前身である並木工房で漆細工を施された万年筆やライター、シガレットケースなどが作られて、ロンドンのダンヒルで売られ大変な人気を集めました。
今でもアンティークとしてのそれらは大変な高額で取引されており、特に万年筆は一本1千万円の値段がついたものもあります。

漆細工にもいろいな手法がありますが、螺鈿を象嵌(ゾウガン)したものも代表例です。

d0253172_11503689.jpg

この銀製シガレットケースには並木のサインは入っていませんが、日本製、ダンヒルで売られたものです。

こういうふうに小さなパーツを隙間なく並べて模様を作る手法はヨーロッパにもまたアラブ諸国にも古くからあって、モザイクと呼ばれています。
ヨーロッパの道路の石畳などもそうですね。

小さなパーツを切りだして、隙間がないように配置してきれいに敷き詰めていくのは大変な労力です。

でも、これがあっという間に、何の技術もいらず、幼稚園の子供でも出来るとしたら?


そんな魔法のような手法があるのです。

こちらは、その魔法の手法で作られた製品です。

d0253172_115696.jpg

銀製で、ふたを開けると中に時計が仕込まれています。


このモザイクに見える部分、実はうずら卵の殻をぐしゃっとつぶして貼り付けているのです。
その名も「エッグシェル」(そのまんま)

アールデコ時代にこの手法は非常に重宝されて、いろんな物にデザインされました。
発想力ですね。

by croa-antique | 2011-09-07 12:02 | アールデコ | Comments(0)

職人の誇り

19世紀のイギリスは様々な手法のアクセサリーがたくさん作られました。
アンティークの中でもひときわ華やかで魅力的な分野です。

当時、いろいろなアクセサリーの中で人気ナンバーワンだったのはカメオです。

カメオというのは「浮き彫り」という意味です。
素材は、メノウやアメジスト、火山岩、象牙やサンゴなどもありますが、一番たくさん使われたのは貝です。
貝殻の茶色と白の二層になっている部分を上手に利用してデザインされました。

デザインのテーマになったのは主にギリシア神話の神様たちの姿です。



d0253172_043516.jpg

この二つのカメオのブローチはどちらもバッカンディアという女の神様の姿を彫ったものです。
ワインの神様であるバッカスの取り巻きの女神さまなので、髪には葡萄を飾っています。

同じバッカンディアを扱っていながら、この二つは全く雰囲気が異なっています。


d0253172_0462555.jpg

こちらは、地に白い部分を使った大変珍しいものです。
彫った職人さんが一番こだわったのはおそらく葡萄の葉っぱなのではないでしょうか。
貝の茶色のグラディエーションを見事に生かしてリアルに表現しています。
また、ちょうど貝の色が白から茶色に変わるところを生かして表現した頬の赤みはお見事!です。

d0253172_049984.jpg

こちらは地が茶色のオーソドックスなタイプ。貝の透明な美しい白い部分を生かして、女神様の肌のなめらかさを表現しています。写真には上手く写らなかったのですが、髪の毛の一筋一筋、肩に背負ったライオンの毛皮の一本一本の毛の表現なども見事です。

今では海が汚れてしまったために、このような美しい透明感のある白い貝は育たなくなってしまったそうです。
貝の美しい白は、海が美しかった頃の証明でもあるのです。


これらを彫った職人さんたちは画家や彫刻家と違って、自分の作品にサインをいれていません。だから何と言う名前の人が作ったのかは全くわかりません。
でも、彫った人が作品に込めた情熱、技術、誇り、そして彫っている時の喜びなどはしっかりと伝わってきます。

アンティークの物がアンティークとして長い時間を経て残り、魅力も衰えるどころか、ますます増していくのも、作った名もない職人さんたちの、作品に込めた愛情と熱意、そして卓越した技術があればこそと思います。

by croa-antique | 2011-09-03 01:07 | ヴィクトリアン | Comments(0)