過去、今、未来、100年前の西洋アンティークでつなぎます。
by croa-antique
<実店舗> 
東京都中央区銀座5-1 
銀座ファイブ2F
クロア
tel : 03-5568-0023
メールでのお問い合わせはネットショップの「お問い合わせ」よりどうぞお願いいたします。

定休日: 年数回を除いて基本的に無休ですが不定休を取らせていただくことがありますのでご遠方からお越しの際は事前にご連絡をくださいませ。
営業時間: 12時から18時半までの間は通常開いております。
ネットショップはこちらからどうぞご来店くださいませ。

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カテゴリ:アールデコ( 9 )

時が止まった部屋 ~シャンソン追加しました。^-^

*この素敵なお話にぴったりの歌をYOU TUBEで見つけたので貼り付けておきます。
よろしければ合わせてどうぞ♪





ネットのニュースで素敵すぎるお話を見つけました!!!

ぜひぜひ見てください。^-^

http://spotlight-media.jp/article/238988488249734707


*追記 どうして部屋の所有者である女性は70年間この部屋を一度も訪れなかったのか、とても不思議で少し調べてみました。
恋人の画家ボルディーニ氏は1931年に亡くなっています。
女性がこの部屋を封印する少し前のことです。
きっと女性は、恋人の死とともにこの部屋を永遠に封印することに決めたのでしょう。
恋人が描いた自分の肖像画すら部屋に残したまま。。。


by croa-antique | 2016-06-11 12:05 | アールデコ | Comments(0)

ベルボーイの時代

1920年代のヨーロッパを象徴するものの一つにベルボーイがあると思います。

ごくごく一部の恵まれた人たちだけの遊びだった旅行やレストランでの食事や観劇などが、どんどん広まっていった時代です。

そのおかげで・・・・・・・


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ベルボーイ大忙し


こちらは1920年頃に作られたシュコーのポーターベアです。

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 ピカピカのミント状態です。

同じメーカーのおサルさん。
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こちらはまたうって変わってよく可愛がられ遊ばれたようです^^

でも、まだまだ現役 いけます!


こちらはイタリア製のフエルトドールです。
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レンチの流行に伴って、似たタイプのフエルトドールを製作する会社がたくさん出てきましたが、これはその中の一つ、イタリアの MAOIS 社のものです。

手に持った花束のリボンには To My Valentine と書かれています。
ホテルもヴァレンタインデーは特別プライスです。^^
この時代もそうだったんでしょうか。

最後にこちらはアールデコ時代のパリで様々な伝説に彩られた泣く子も黙るマキシムのポーターの人形です。

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ミントではありませんが、オリジナルの箱も残っています。
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箱の上にはラヴェルが貼ってあるのですが、残念ながら状態がよくありません。
きれいに残っていたら、この人形がどういう感じで売られていたかがわかったかもしれません。
残念・・・

これは食卓でパンを入れるための物です。

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これさえあれば、普段の食卓がマキシムに早変わり。

今のマキシムはピエールカルダン氏の所有になって、上階には彼がコレクションしたアールヌーボーの品が美術館として飾られているそうです。

余談ですが、黒崎♂は25歳から35歳までロンドンのアンティークモールで骨董屋をやっていました。
カルダン氏はよく出没して相当大胆な買い物をされていたそうです。
当時買ってもらった物も美術館に収められているでしょうか。
恐れ多くて足を踏み入れたことはありませんが。。。
予約すれば、食事をしなくても美術館だけでも見ることができるようです。

最後におまけの画像を。

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これ以上大きな画像を見つけられなくて残念なのですが、古い映画の一場面のようです。

出ているマキシムのベルボーイがお顔も含めてこの人形に生き写しでびっくりしました。@@

by croa-antique | 2013-09-05 15:42 | アールデコ | Comments(0)

ROLLING PEARLS

真珠のネックレスを身につけた二人の女性。

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上の女性はメディチ家の王女様、下の女性はアメリカの大富豪のお嬢様デイジー。(映画「華麗なるギャツビー」から)

二人の間には約330年間の時間があります。
そして二人に共通するのはその時代きっての大富豪のお嬢様であることと、真珠をたくさん身にまとっていることですが、その真珠には大きな違いがあります。



17世紀の時代の真珠はもちろん天然の海水パールで、大変な危険を冒しながら海に潜って大量の貝を集め、その中からどのくらいの確率だったでしょうか、真珠入りの貝をやっとのことで探しだして運ばれた物です。
20世紀に入るまでは、同じ大きさの真珠とダイヤモンドは同じ価値で、一連の長い真珠のネックレスを売れば、パリの一等地に豪華なお屋敷を建てることができたそうです。

その価値をあっという間に暴落させたのは言うまでもなく一人の日本人、御木本幸吉さんでした。

とても面白い写真を手に入れました。

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壁一面にかかった真珠のネックレス。その上には日本の真珠の養殖風景、売り子さんの胸にも一様に真珠のネックレス。
1920年頃のロンドンのお店の写真です。

当時、天然産の高価な真珠のネックレスを持っていたお金持ちの女性が、この店の情景を見た時の胸中やいかに!!!と思わず想像してしまいます。

ちょうど時はロシア革命勃発寸前の頃、ロシアからジュエリーを持ってヨーロッパに逃げてきたロシア貴族たちの中で、ダイアモンド等を持っていた人たちはそれを売ったお金で家を建てたり、事業を興したりしてちゃんとした生活ができたけれど、真珠を持っていた人は。。。。!!という笑えない話もあるようです。

でも、御木本パールも、もしかしたら目論見ほどには売れなかったのではないだろうか。。。と実は推測しています。

それは、一人のフランス人女性の存在ゆえに。


「真珠なんて、偽物で充分じゃないの!。」と胸元にフェイクパールをじゃらじゃらつけてメッセージを世に発信したひと。

ココ・シャネル
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さてさて、メディチ家のお姫様の真珠はもちろん天然の真珠でしたが、デイジーの真珠はどうだったんでしょうか。
天然もの?それとも養殖?


たぶんフェイクパールだったと思うのですが、本当のことはわかりません。。。

by croa-antique | 2013-06-09 14:31 | アールデコ | Comments(0)

ピグマリオン

たまに、小さな子供がおもちゃやお菓子を欲しくて、店の床に転がって泣きわめいている姿を見かけます。
大人の目から見るとほんとにとるに足らないモノでもその子にしてみたら欲しくて欲しくて、手に入らなかったら生きていけないように思えるんでしょう。

大人になってしまうと、床に転がってまで欲しいものってなかなかなくなりますが、(いや、あるけど恥ずかしいからやらないだけか。)何かを猛烈に欲しい!と思う気持ちは生きる上でとても大きなエネルギーになるようです。

もう何十年も前の話ですが、店にアールデコの美しい陶器の女性像が入荷しました。

長い間(たぶん10年近くも)売れないでそのまま同じ場所に飾ってありましたが、とうとう売れてしまって、そのあとすぐにある若い男性がその女性像を買いにお金を持っていらっしゃいました。

その時に聞いた話ですが、男性はずっと何年もその女性像が欲しくて、1年に何回か女性像を見に来て、「まだ売れない。まだ大丈夫。」と確かめては帰っていったそうです。

その人は一言もしゃべらずに、ただ何年もウィンドウを見ていただけなので、私はそのことを全く知りませんでした。

それからまた5年くらいたった頃、ひょっこりとその男性が店に来てくださいました。

そして、「とうとうあの女性像を手に入れました!」とおっしゃいました。

私はてっきり、どこかで同じものを見つけて購入されたのかと思ったのですが、そうではありませんでした。


なんとその男性は、女性像にそっくりな現実の白人の女性と結婚したのだそうです。

アンティークの商品をめぐって、いろいろなお客様と接しますが、これ以上に強烈に印象に残ったお客様はいません。


今でも命を持った偶像と幸せに暮らしていらっしゃるでしょうか。


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これは、同じアールデコ時代の女性像ですが、金属で出来た等身大のマネキンです。ミロのビーナスのように腕をそぎ落としたトルソに潔い美しさがあります。

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目は青いガラスがはめ込まれています。下のまつ毛はペイントで濃い色と薄い色の二種類を使って表現されています。それに上のつけまつ毛が影を落としてもう絶妙の印象を目に与えています。

芸術作品ではない、ただの商業用のマネキンです。
この時代のモノ造りに対する美意識の高さに感動します。

by croa-antique | 2013-03-31 10:14 | アールデコ | Comments(0)

レンチ×シュタイフ=!!

ブランド同士のコラボレーションというのは今でもよく行われていますが、こちらは1929年の夢のようなコラボレーションです。

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ドイツのメーカー シュタイフのブーリーを抱くイタリア レンチ作のサロンレディー。
90年近くミント・イン・ボックスの状態で保存されてきました。
箱には当時ニューヨーク5番街にあったデパートの名前が入っています。

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女性の顔は当時の人気女優だったリリアン・ギッシュをモデルにしています。

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美しい人ですね~~
レンチはこの方をモデルにいくつかの作品を作っています。
特に美しいのは幼いキリストを抱くマリア像として作られたもので、いつか入手したいと願っています。(余談でした。)

なんと1896年に生まれた女性ですが、つい最近まで映画に出演されていましたね。
風にも倒れそうな華奢なイメージの方ですが、実はしなやかで強い方だったんですね。

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アールデコの流行で細くデフォルメされた身体。
胸をぺったんこに作ってあるのがレンチの勝利!という感じがします。
生身の人間でない、ファンタジーの世界を思わせてそれによって作品の永遠性を獲得しているように思います。

ちょっと失礼してスカートの中を見ると。。。。

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両足には薔薇の花のアンクレット!おしゃれです。


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小さいけれど存在感ではボクも負けていません!
レンチとシュタイフの間に話し合いがあったのか、無断だったのか?そのあたりは全くわかりませんが、1929年のレンチのカタログに、このブーリー君の写真が出ています。
レンチは独自でも動物のぬいぐるみを作っていますが、そのレンチをしてもブーリーの造形の素晴らしさには脱帽したことでしょう。

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色あせも汚れもない、出来たばかりと同じ状態。


奇跡的なことと思います。

by croa-antique | 2013-03-10 13:52 | アールデコ | Comments(0)

アールデコの色 

「自然界に直線は存在しない」ということがアールヌーボーのデザインの基本になっていました。
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フリーハンドによる美しいヌーボーの線

その反動で1920年頃から、定規で引いたような直線でデザインされたものが多く出現します。
アールデコ時代の始まりです。色遣いも赤と黒、白と黒、のような人工的な色合いが好まれました。

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ボヘミアンガラスのデカンタ。


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銀にマルカジット、ガラスのアクセサリー

アクセサリーに見られる階段状のモチーフは、同じ時代に建設されたニューヨークのエンパーヤーステートビルやロックフェラーセンターなどにも見られますが、これは古代エジプトの階段状ピラミッドに影響を受けたものです。



自然に対抗して人工的な世界を築こうとしているかのようなアールデコのデザインですが、実はその反対の側面も持っています。

緑と黄色の世界。
それも、どちらも茶色が混ざったような大地の色の世界です。

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女性用のシガレットケースのデザインと、ブドワール人形。
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個人宅のバスルーム


自然を捨て去ろうとしているかのように見えるアールデコですが、実はこんな自然の色を多用しています。


そんなアールデコの象徴のような場所がニューヨークのロックフェラーセンターの中にあります。

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1930年頃建設されたロックフェラーセンター。
天に向かって人間の力を見せつけ、威嚇するかのようなデザインです。

このビルにあるラジオシティミュージックホールの女性用化粧室

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雑草のような植物が大胆に壁一面に描かれています。
草や土の匂いが強烈に漂ってきそうです。

あの近代的なビルの中に、こんな原始の自然を内包しているんですね。

これを描いたのは、国吉康雄さんという日本人画家だそうです。
17歳で移民としてアメリカに渡り、貧しい労働の中から努力して一流の画家になった方だそうですが、アールヌーボー、アールデコに共通して、日本人の感性がその一番奥底に脈々と流れていることはとても誇りに思えることです。

by croa-antique | 2012-11-21 14:07 | アールデコ | Comments(0)

間(ハザマ)の魅力

アールデコ時代のフランスでガラス作家として様々なガラス製品をデザインしたルネ・ラリックは根強い人気のある作家です。
ガレやドームと違って、基本的にプレスによって作られる彼のガラス作品は大量生産を目的としたものですが、物によっては大変に高額な値段で取引されます。
その魅力の元になっているのはなんだろう、とずっと思ってきましたが、最近になって気付いたのはちょうど時代の移り変わる境目に位置していることもあるかなあと思っています。

ラリックはもともとアールヌーボーの時代に、舞台女優や貴族の婦人など、ごくごく一部の限られた人にだけ向けた、大変高価な一点物のジュエリー作家として出発しました。

デザインの原点はアールヌーボーです。
だから、シャープで現代的なアールデコの代表のように思われているラリックの作品の底にはアールヌーボーの優美さが隠されています。

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1923年に発表されたアトマイザー。縦にデフォルメされた女性の姿がデコとヌーボーの両方の魅力を併せ持っています。後ろはメタルをプレスしたペンダント。

そして、一点一点の作品に、途方もない時間とお金と手間をかけて生み出していた初期のジュエリー作家としての経験は、後により多くの人々の生活に美しいものを提供したいと、大量生産に踏み出した時にも大きな影響を与えていると思います。

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大変に細かい部分まで丁寧に表現されています。

ヌーボーとデコ、手工芸と機械生産。
この全く正反対の性格が、ラリックのガラス作品にはどちらも反映されています。

by croa-antique | 2012-02-23 14:55 | アールデコ | Comments(0)

ちょっとズル?

ダンヒル並木といえば、知る人ぞ知る存在といった感じでしょうか。
1920年代~30年代にかけて今のパイロット万年筆の前身である並木工房で漆細工を施された万年筆やライター、シガレットケースなどが作られて、ロンドンのダンヒルで売られ大変な人気を集めました。
今でもアンティークとしてのそれらは大変な高額で取引されており、特に万年筆は一本1千万円の値段がついたものもあります。

漆細工にもいろいな手法がありますが、螺鈿を象嵌(ゾウガン)したものも代表例です。

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この銀製シガレットケースには並木のサインは入っていませんが、日本製、ダンヒルで売られたものです。

こういうふうに小さなパーツを隙間なく並べて模様を作る手法はヨーロッパにもまたアラブ諸国にも古くからあって、モザイクと呼ばれています。
ヨーロッパの道路の石畳などもそうですね。

小さなパーツを切りだして、隙間がないように配置してきれいに敷き詰めていくのは大変な労力です。

でも、これがあっという間に、何の技術もいらず、幼稚園の子供でも出来るとしたら?


そんな魔法のような手法があるのです。

こちらは、その魔法の手法で作られた製品です。

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銀製で、ふたを開けると中に時計が仕込まれています。


このモザイクに見える部分、実はうずら卵の殻をぐしゃっとつぶして貼り付けているのです。
その名も「エッグシェル」(そのまんま)

アールデコ時代にこの手法は非常に重宝されて、いろんな物にデザインされました。
発想力ですね。

by croa-antique | 2011-09-07 12:02 | アールデコ | Comments(0)

過剰の花束

大学の卒論では芥川龍之介を取り上げたほど、昔から好きでしたが、どういうところが好きなのか、深く得心がいったのはこの4月のことです。

ある新聞に、関東大震災の直後の芥川龍之介の言葉が載っていました。

他の小説家たちが、「この大きな災害の前では文学や芸術など無力だ。」と嘆いたのに対して、芥川龍之介の言葉は以下のようなものでした。

「芸術は生活の過剰ださうである。成程さうも思はれぬことはない。

しかし人間を人間たらしめるものは常に生活の過剰である。

僕等は人間たる尊厳の為に生活の過剰を作らなければならぬ。

更に又巧にその過剰を大いなる花束に仕上げねばならぬ。」


震災から一か月もたたないうちに、こういう発言を発表するにはどれほどの勇気がいったことだろうと思いました。
他の作家のようにまっとうな、万人に受け入れられやすい言葉を書いた方がよほど楽だっただろうに。。。。


ちょうど同じ頃、フランスで「過剰の花束」を必死で作り上げようとしていた画家がいます。

徹底的に、きれいな女性とかわいい犬とネコと鳥ばかりを描いた人。

ルイ・イカール


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ただのきれいな女性の絵にしか見えませんが、タイトルは「手榴弾」(1917年作)
この絵で何を言いたかったのか、わかりにくすぎる!

とりわけ美しいものが好きだったイカールが26歳から30歳の間、兵士として戦地を転々とさせられて、いろんな醜いことやつらいこと苦しいことを嫌というほど経験したと思います。

でも、絵の中にはそういう汚いものをいっさい描くことなく、ただただふわふわと美しいものだけを描き続けたイカールです。


そんな彼も、世界が第二次大戦に向かおうとする頃、とうとう我慢できずに直接反戦を訴える絵を描いて出版しようとしますが、出版社はこれを拒否。絵を売ることもできなくなってしまい、イカールの画家としての生命は断たれます。

龍之介は自死。

1910年代から1930年代、二つの世界大戦に挟まれたアールデコと呼ばれる時代に「過剰の花束」を作り上げることはなんて難しいことだったんだろう。

ほんの少し前のようでいて、けっして手の届かないこの時代のものに対して、興味は尽きません。

by croa-antique | 2011-07-30 16:26 | アールデコ | Comments(0)