過去、今、未来、100年前の西洋アンティークでつなぎます。
by croa-antique
<実店舗> 
東京都中央区銀座5-1 
銀座ファイブ2F
クロア
tel : 03-5568-0023
メールでのお問い合わせはネットショップの「お問い合わせ」よりどうぞお願いいたします。

定休日: 年数回を除いて基本的に無休ですが不定休を取らせていただくことがありますのでご遠方からお越しの際は事前にご連絡をくださいませ。
営業時間: 12時から18時半までの間は通常開いております。
ネットショップはこちらからどうぞご来店くださいませ。

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カテゴリ:ヴィクトリアン( 25 )

思い出をつなぎ留めるために

生まれた人は必ずいつかは死んでいきます。

それはとても悲しみを伴う事実なので普段はそのことに目を背けて生活していきがちですが、19世紀の人々は現代の我々よりもあえてそれを自覚しようとしていた節があります。

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赤ちゃんの誕生を知らせるカードは19世紀にはほとんど作られていません。
今よりも乳児の死亡率が高かったことも関係しているのでしょうか。。。
10歳前後で行われる初聖体のカードは多く残されていますが、、、

上のカードはお葬式の参列者に配られたデスカードです。
裏側に個人の人生が簡単に説明されています。
その人が高齢で幸せに人生を全うしていると嬉しくなります。

思い出は次第に忘れ去っていってしまうものです。
脱線ですが、私の大好きなピアソラの曲にオブリビオン(忘却)という美しい曲があります。始まって10秒で泣けます。^-^
パリという異邦にあってどんどんと忘れていってしまう故郷アルゼンチンを想って作った曲でしょうか。
BGMに流しながらどうぞ続きをご覧くださいませ。



ビクトリアン時代にたくさん作られたロケットペンダントも、今現在愛している人の写真や髪の毛を入れて肌身離さず持っている場合もありますが、亡くなった人や離れて暮らしている人の物を入れているほうが多いかもしれません。
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日本の影響を受けたデザインの大きな銀のロケットです。

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忘れな草のはかない花が象嵌されたロケット。
裏側には個人の髪の毛が入っています。

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こちらは1800年初期のものです。
この細かな細工!右のアジサイの花とどうぞ比べてみてください。
極小のミクロの真珠に紙で作られた花。上にはやはり髪の毛が編まれて入っています。

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こちらもヘアジュエリー。
1860年前後のものです。シードパールでレースのような模様を作っています。

日本では正直なところこういうものをコレクションしている方はあまり多くありませんので、多くは日本に入ってきていませんが、ヴィクトリアンジュエリーの中でこれらモーニングジュエリーが占める割合はとても大きいのです。
その前の時代、ジョージアンのジュエリーに至っては、もっと多く半分以上モーニングジュエリーなのではないかと。。。。感覚的にですが。

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1790年頃のガラスにエナメル、シードパールの施された板。
指輪などに仕立てられたものです。
時計は人間のこの世での限られた時間を表現しています。

次回、またタイプのことなるメモリアルジュエリーをご紹介いたします。


最後におまけで。。。悲しい中にも嬉しい別れをどうぞ。

やはりピアソラのアディオス ノニーノ (ピアソラがパリにいて故郷の父親が亡くなったことを知った時に作曲した曲です。)
オランダの皇太子の結婚式。お嫁さんはアルゼンチンからやってきた女性。
わけあってお父さんさえ結婚式に出席を許されなかった状況で教会に突如鳴り響くアルゼンチンの曲。これもまた10秒で泣けます。^-^






by croa-antique | 2016-02-15 01:47 | ヴィクトリアン | Comments(0)

アンティークピンブローチの世界

現代ではピンブローチと言うと、小さな針がついて服の裏からストッパーでとめるものを指しているようです。店でも特に男性のお客様から「ピンブローチはありませんか?」と聞かれることがあるのですが、アンティークの世界ではそういうタイプのピンブローチは存在していません。
おそらく1960年頃から生産され始められたのではないでしょうか。

アンティークジュエリーの分野でピンブローチと言うと待ち針のようなタイプの物を言います。
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襟元に刺したり、スカーフを留めるために使われました。

よくハットピンと間違われるのですが、ハットピンは針がもっと長いです。
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ハットピンのいろいろ
針の長さは10センチ以上あります。

小さな小さなピンブローチたちは身に着けていてもほとんど存在を主張するものではなく「付け映えします!」とはお世辞にも言えないのですが、その控え目で繊細な形が大好きで、たいして売れるとも思えませんがついついたくさん仕入れてしまいます。

その愛らしい佇まいをどうぞご覧ください。

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エナメルの球、金にシードパールとエメラルドの蜂、丸いモザイク
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金にトルコ石、ルビー、シードパールのパンジー
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アイボリーのパンジー、金にルビーの三つ葉のクローバー、金の葡萄の葉っぱ
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真珠、サファイヤ、ガーネットのいろいろ
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バロックな海の天使たち
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ルビーの目のフレンチブル
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ちびのカエル君にもちゃんとカボッションのルビーの目がはめ込まれています。
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これは中でも特に面白いものです。
真珠の虫ピンとセットになったダイヤの蝶

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目はやはりルビーです。

ちょっと脱線しますが、この虫ピンというモノ。
ビクトリアンの時代には何か特別な意味合いを持つ存在だったようで、様々なジュエリーにデザインされています。
またいずれそれらをご紹介したいと思います。^-^(これもまた大好きな分野です。)
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フリーメイソン、他何らかの身分を表すものもたくさんあります。
真ん中の王冠はどこの国のものでしょうか。小さいですがとても細かいつくりです。

まだまだありますがこのへんで。。。
ホームページにはさらに詳細に順次ご紹介してまいりますのでどうぞご覧くださいませ。








by croa-antique | 2015-09-09 13:28 | ヴィクトリアン | Comments(0)

ニードルケース いろいろ

裁縫道具特集、今回は針入れの数々です。

まずは最も古いものから・・

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1800年頃の物です。画像では大きさが全く伝わらないと思いますがとても小さいものです。
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金具もすべて金でできています。本体の黒いものは何だかお分かりでしょうか。

これは象牙を黒く染めたものです。
なぜにわざわざ白い象牙を黒くして使用するのか??
このような技法はヨーロッパだけでなく、中国でも日本でも見られます。
純金の上から漆黒の漆を塗ってわざわざ真っ黒にしているものもあります。

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ビクトリアンの銀製。
割とよく見られるタイプです。
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同時代の革製。型押しされたリスが可愛い手のひらサイズです。

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中はネルの布に油紙。
針を錆びさせないためのお約束の材料です。

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クロモスの少女が可愛い小さなニードルケースとキャラメル型の待ち針刺し。

そして携帯用のお財布型のニードルケースは驚くほどのミントコンディションを保っています。
仕事柄古いものがきれいな状態で残っていることに遭遇するのは珍しいことではないのですが、この革のケースに関しては驚くというのを通り越してあっけにとられるほどの状態です。

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中のシルクの色もこの通り!
針と一緒に手鏡や爪のお手入れセットも一緒に入っています。
それだけ、当時の女性にとって針と言うものが身近にあったということだと思います。

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小さな箱型のニードルケース
蓋を開けると・・・・・

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左の物は蛇腹状に、右の物は放射線状にパタパタと開かれます。
真ん中には糸巻が。
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オリジナルの箱も残っている大きめのタイプ。
これには糸巻入れと針刺しも真ん中についています。
お裁縫がより楽しくなってくるようなニードルケースの数々です。


by croa-antique | 2015-05-27 22:50 | ヴィクトリアン | Comments(0)

一番すごいのは誰?

今日の主役は手前のストライプに花柄の長~いリボン状のものです。
不精してケースに置いてあるままの写真を撮ってしまいました。
とても長いので二つ折りにして飾っていますが、長さは90センチ弱あります。

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これはガラスビーズで編まれていますが、実は用途がよくわかりません。
売っていた人は、「聖書(教会で使う大きなもの)のページが説教中にめくれないように押さえておくモノ page-unturner )ではないか?」と言っていましたが、それにしては柄がちょっと世俗的なような気もします。

でも、袋状に編まれていてとても重いので、その用途にはぴったりです。

驚嘆すべきはこのビーズの小ささです。
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比較のために、現行品で手芸屋さんで売っている一番小さいビーズを上に置いてみました。
現代のビーズの穴の大きさよりも小さなビーズです。

これを根気よく編んだ人もすごいですが、さらにすごいのはこのビーズを作った職人さんだと思います。
一体どうやって作ったのでしょうか。
そしてそして、この小さな穴に糸を通すための針を作った人もまた!
そしてそしてそして、その針の穴に通るような糸を作った人もまたまた。。。

二つのビーズを比べてみると、技術の進歩って何なんだろうと思います。

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同じサイズのビーズで編まれた小さな長方形のモノ
布で裏打ちされています。
これまた一体どういう用途だったのか全くわかりません。
でも、何かとても家庭的な手作りの雰囲気があります。
縁のさりげないクリスマスカラーが素敵です。♪

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さらに小さなガラスビーズのビーズ刺繍。ドールハウス用の敷物でしょうか。
フリンジはオパールセントです。

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こうして写真にすると小ささが全く伝わりませんが、これ以上はきっと無理
 ><
もうすでに人間の限界を超えているように感じます。

19世紀のビーズは一個一個手作りの要素が大きいために大きさも形も色も均一でなく不揃いです。
それが作品になった時に素晴らしい陰影と深さをもたらします。



by croa-antique | 2014-11-12 00:17 | ヴィクトリアン | Comments(0)

天使の メシャムパイプ 2題

黒崎♂も無事買い付けから戻り、店も通常営業に戻りました。

今回の買い付けの中から素晴らしいメシャムパイプを二つご紹介いたします。
メシャムとは海泡石という素敵な日本語がついている石で水よりも軽く水に浮くことがその名前の由来になっています。

私の中ではこの名前を聞くといつもルネッサンスの名画ヴィーナスの誕生が思い浮かびます。

本来は真っ白なのですが、パイプとして使い込んでいくうちにどんどん色が変わっていくので、その色を美しく育てることもパイプを使う楽しみになっているようです。

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エンジェルとキューピッド

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矢をつがえて今まさに放とうとする緊張感が見事に表現されています。
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下は貝殻の形。これもヴィーナスを思わせます。
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どこから見ても美しい彫は、パイプとして使わなくても彫刻として楽しめます。


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天空の天使。
月と星とともに。
この場合はルナとステラと言った方が雰囲気によく合っています。

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どちらの天使も古典的な美しい顔をしています。
今、マネしようとしても絶対に再現できません。
この点は2次元の絵よりも立体はごまかしがきかないのが扱う側にとっては有難いところです。^-^


by croa-antique | 2014-10-20 12:42 | ヴィクトリアン | Comments(0)

袖山革命

ドレスの話題に戻ります。

前回の記事のアルバムの女性たちの服をよく見てみると袖山に劇的な変化が起こりつつあるのがわかります。

1枚目の恰幅のいいおばちゃんたちと、2枚目のお母さんの服の袖山にはギャザーが入っておらず、肩との境目がなだらかです。

ところが3枚目の若い女性たちの袖山を見ると、右のパラソルを持った女性の袖山はギャザーが入って肩よりも少し高く持ち上がり、他の二人の袖山にはなんだか1960年代のSF映画の女性が着てるみたいなへんてこな飾りによって、やはり肩よりも高く見えます。

袖山革命(と一人勝手に名付けている)の始まりです。
それまでも体にぴったりした袖以外にも膨らんだ袖はありました。
その一例です。
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あくまでも肩から腕にかけてのラインはなだらかで三角形のシルエットを壊すことはありませんでした。
でも、流行とは恐ろしいもので・・・・

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初老の上品で理知的なおばさまもウエディングドレスも若い母親もみ~~んな四角形ラインを越えて逆三角形ラインと言えるほどに膨らんでいます。
スカートがしぼんだ分、どこかでふんわりした女性らしい部分が欲しくなったのか、あるいは古い女性のイメージをぶち壊して新しい女性像を築き上げたかったのか、、、両方の側面があるように思います。

(この流行を見るとどうしてもバブルの頃の分厚い肩パッドを思い出してしまいます。女らしさというよりもむしろ虚勢を張って肩いからして歩いている・・・みたいな^-^)

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1898年の雑誌のイラストより
子供部屋で寝ている子供に音楽を聞かせてあげているお母さん。

ふくらんだ袖、といえば何といっても「赤毛のアン」です。
最新流行のふんわりしたドレスを着た少女たちの中で自分一人だけ、昔気質のおばさんたちにオールドスタイルな体や腕にぴったり貼りついて痩せこけた体のラインを隠すことが出来ない服を着せられたアン。
思春期の少女にとってどんなにつらいことだったか簡単に想像できます。

アンが着せられていたであろうドレス
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この方は女性として美しいシルエットをしているので全然大丈夫ですが。
ほんの10年で劇的に変わったものです。

19世紀末期、流行の最先端を行っていたものすごくおしゃれな女性。
顔つきももうビクトリアンを脱して現代女性のそれと同じです。
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彼女の右手首にご注目ください。
これはもしかして腕時計ではないでしょうか。
腕時計が出回り始めたのがちょうどこの頃です。

真ん丸の懐中時計に細いチェーンをつけたような腕時計がこの頃から1910年代にかけての主流でした。

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1912年製ロレックス

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1913年製ティファニー

現代の値段の高い時計のようにたくさんのダイヤが使われているわけではありませんがとても気品があって美しいデザインです。
どちらも100年以上たっていますが、今でもちゃんと使えます。

またまた脱線しましたが、次回で一応最終回です。^-^







by croa-antique | 2014-07-23 11:19 | ヴィクトリアン | Comments(0)

三角形から長方形へ

おそらく1890年前後の「オリンピア」と名付けられた写真アルバムです。
当時流行したアウトドアのスポーツのいろいろがイラストで描かれています。
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テニスウェアに身を包んだ男と女。
男も女もスカートとズボンの差だけで、シルエットはほとんど同じ長方形です。

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そりすべりを楽しむ男女も遠くから後姿を見たらほとんど見分けがつかないでしょう。

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男女ペアになってテニスをする女性のスカートの裾からは靴が見えています。革命的なことだったと思います。
写真の女性もわざと見せつけるかのように石の上に足を乗せて靴を見せています。

ウエストも不自然な締め付けはなくとても楽そうでひとごとながらほっと息がつけます。

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こちらのお母さんの上半身も前回の記事の女性のようにきっちり人工的に整えられてはいません。
背筋をピッと伸ばして優雅なドレスのラインに体を無理やりに合わせてしわひとつ寄せずに着こなしていた10年前の女性の体のラインと比べるととても楽そうです。
表情も余裕が感じられます。

昔、娘が子供のころ、ピアノのお稽古をしていて、ベートーヴェンのソナタだったか練習している時に「音符がいっぱいあって弾きにくい章に限ってグラチオーソ(優雅に)って指定してるんだよね。。」とつぶやいていたのをなるほどねえと思いながら聞いたのを覚えています。

全く優雅でいることはやせ我慢と不断の努力と苦行の賜物!
優雅とは程遠い格好で(とても人様にはお見せできません)パソコンの前にいる私は古今東西の王侯貴族の方々のご苦労を偲びます。
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アーチェリーを楽しむ女性たちも写真の若い女性たちも押しつけの女らしさなんてまっぴらごめんとでも言いたげなとても凛々しい感じがします。

この時代からそろそろ女性参政権運動なども盛んになり始めました。
男と同じ人間でありたいという女性の思いが、三角形のシルエットを捨て、長方形のシルエットへの指向に結び付いたんだと思います。

とはいえ、女性に参政権が認められたのは一番早いアメリカやイギリスで1920年代。日本やフランスはじめヨーロッパの多くの国では戦後の1945年以降。
スイスに至っては、一部のイスラム圏の国より遅い1970年(マジか!!)とまだまだ遠い道のりではありました。

まだまだ続く。。。。


**おまけの画像**

1890年頃はヨーロッパにジャポニズムの旋風が吹き荒れた時でもありました。
まるで オリエンタル ブリュ ジュン のような少女の写真です。

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by croa-antique | 2014-07-15 11:21 | ヴィクトリアン | Comments(0)

バッスル全盛期

はっきりした年はわかりませんが1880年前後のものだと思います。

ファッション雑誌からの切り抜きです。

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腰を膨らませたバッスルスタイルの数々です。
斬新にして奇抜、過剰なデザインのドレスはこうやって絵で見る限りとても優雅で女性らしくて素敵に見えます。

でも、実際に身につけてみると。。。
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完全にコルセットできつく整えられたウエストに異様に盛り上がった腰のライン。
とても苦しそうですし、動くことも簡単ではなさそうです。

実際、この時代の貴族の女性は日常の中ですぐに気絶したそうです。
むしろ、気絶することが「女性らしさ」とみなされて、ちょっとしたことで簡単に気絶する、ということが素晴らしい女性の一つの条件ともされました。

また、それを逆手にとって、好きな男性の前で気絶するふりをしてみせて、その男性の気をひくという恋の駆け引きもあったようです。

そんな習慣の中で生み出されたものに「ヴィネグレット」と呼ばれる小さな香水瓶のようなものがあります。

また脱線になってしまいますので今日は中でも極上の物を一つご紹介します。

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中には良い匂いの香水ではなく、アンモニアなど気付け薬を入れました。
女主人が気絶した時、すかさずお付きの女中がこれを嗅がせて正気に戻すという筋書きです。

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銀製の蓋にはパンジーのレリーフ

蓋を開けると。。。。



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内蓋は薔薇。。。

なんとも女らしいデザインで素敵です。。。

素敵ではありますが、こんな不自然なこと、もううんざり!!!と女性たちが思うのに時間はかかりませんでした。

そしてあっという間にバッスルのスカートは細くすぼんできて。。。。


以下次回に続きます。

by croa-antique | 2014-07-13 12:42 | ヴィクトリアン | Comments(0)

バッスル前夜

前回に引き続きドレスの話題を続けます。
1860年頃から20世紀初頭にかけての女性のドレスのシルエットの変遷はとても面白いです。


1冊のアルバムがあります。
小さいですが、革貼りに真鍮の金具で厚く金が塗られた重厚感のあるアルバムです。
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ここには1865年から1870年にかけての一家族の写真が収められています。

2着の喪服。

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数年の違いですが、左のスカートはバルーンのように前も横も後ろも同じように丸く膨らんでいるのに対して、右は前や横のふくらみは抑えられ、後ろのみスマートに膨らませています。
イギリスにおいてバッスル時代に移行しはじめたのが1865年頃というのがわかります。

お年を召した真ん丸なおばあちゃまたち(いえいえ、体型ではなくあくまでドレスのシルエットの話^-^)
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それに対して若いお嬢さんは若干スレンダーなシルエットです。
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正三角形から縦長の直角三角形への移行への萌芽がみられます。

きっと年取ったおばちゃまたちは若い娘のスカートを見て「まあ、なんてはしたない!!足やヒップの形が見えてしまうじゃないの!!」と怒り、若い娘は老婦人たちのオールドファッションスタイルを見て「太って見えてみっともないわ。私は絶対にあんな風に見られたくない!」と内心考えていたのではないでしょうか。


まさにこの時代は過渡期と言えると思います。

若いお母さんもスマートなバッスルスタイルです。お揃いに誂えられたお子さんのドレスもすごく可愛いです。

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たった2歳にしてきりっとした表情の美しい女の子。


女の子??


いえいえ、女の子でないことは、このブログをずっと読んでくださっている方にはもうおわかりと思います。^-^

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年子の兄弟。

数年後にはこうなりました。

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最後におまけでこちらもある意味過渡期の面白い写真を。。。

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弟ちゃんのほうです。
もう髪型は男の子仕様なのに(普段はもう男の子の服を着て生活していることを物語っています)まだ女の子のドレスを着せられて、しかも花籠まで持たされてへの字口で思いっきり不機嫌な顔で写っています。

「なんで男の僕がこんな恰好させられないといけないんだよ!!来年には絶対に女の子のドレスなんか着てやらないからな!!」
という彼の心の叫びが写真から聞こえるようです。

きっとお母さん、女の子が欲しくて仕方なかったんでしょうね。^-^


脱線しました。
次回に続きます。




by croa-antique | 2014-07-08 23:41 | ヴィクトリアン | Comments(0)

三角形になりたかった人たち

ヴィクトリアン時代の女性にとって、自分の好みの印刷物を雑誌などから切り抜いてスクラップアルバムに貼り付けていくことは日々の楽しみの一つだったようです。
たくさんのスクラップブックが残されていて、それぞれ作った人のセンスとか性格とか趣味が如実に表れていて見ていてとても楽しいものです。

いつ頃からそういう趣味が始まったのかはっきりとはわかりませんが、今手元にあるものの中で最も古い物には1826年のサインが入っています。ヴィクトリアンではなくジョージアンですね。

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昔の人の視力の良さは今のアフリカの人並みでしょうか。
線が細かすぎて肉眼でその美しさを味わうことは不可能です。

ページの右下の部分を10倍に拡大してみました。
線がやっとはっきりとわかります。
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細かさの次元が違いすぎて同じ人間の仕事とは思えません。



こちらはヴィクトリアン中期1861年のものです。
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美しいモアレと裂織りをプリントで表現した布貼りの表紙

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ヴィクトリアン後期に比べて色数は少ないですがそこが味わいになっています。
とてもセンスの良い作り手さんです。

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当時の流行のファッションスタイル。形は限りなく正三角形です。
19世紀初期は18世紀のゴージャスな膨らんだスカートの反動ですらっとしたエンパイヤースタイルが流行して、まただんだんスカートはふくらんでいって、この1860年頃を頂点として19世紀後半になるにつれて今度はスカートのふくらみはどんどん少なくなっていって、20世紀にはまたスレンダーなシルエットに戻ります。

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子供服も同様の三角形シルエット。
どっしりと安定した形が時代の落ち着きや豊かさを感じさせてくれます。



by croa-antique | 2014-07-05 14:11 | ヴィクトリアン | Comments(0)